子ども 悲しみ 死 死と向き合う 祖母 祖父

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2月に凛とした素敵な女性であった義母が、難病で亡くなり、私や夫、娘に死と向き合う機会を与えてくれました。

過去記事で、私自身が本からの学びを通して、死の悲しみや絶望を乗り越える方法をお話しさせて頂きました。
今回は、子どもが大好きなおばあちゃんやおじいちゃんの死とどう向き合うのが良いか、子どもが死と向き合う時、私たちがどのようにサポートできるかについてシェアしたいと思います。


私は、義母の死を通して、人間の強さ、崇高さ、生き方を学ぶことができました。

そして、私の当時5歳の娘も、おばあちゃんの死を通して死について考え、成長したと思います。

私は、娘がまだ5歳だからといって、義母の現在の状況や、治療の進み具合、有効な治療法が見つからない事、死についても、分かりやすい言葉ではありますが、子ども扱いせずにしっかり説明しました。
大切な家族の命が失われようとしている時に、子どもだけ疎外するのは違うと思いますし、子どもだって、大好きな家族を失うわけですから、この出来事の当事者であるべきです。

死んだ人はもう言葉も話さないし、もう会うことはできなくなってしまうこと。
生きている今を大切にすること。
命の炎が消えそうになってるばーばに、私は何ができるか、あなたは何ができるか、ということをいっぱいお話ししました。

娘はキリスト教系の保育園に通っているのですが、
「ばーばに毎日聖書の言葉を読んであげるから、ばーばに動画送って!」
とか、
「ばーばに絵を描くから持って行って!」
「ビーズでブレスレット作ってばーばの手につけてあげる!」

と、色々アイディアを出して、すべて本当にやってくれました。

娘にとっておばあちゃんとの最後の面会となった日、他の孫たちは状況を理解しておらず、治療中でいつもと雰囲気が違うおばあちゃんに近づくのを嫌がったり、それを親が叱ったりしている中、娘はおばあちゃんに近づいて手を握ったり、抱き着いて「ばーば大好き」と伝えていました。

状況が分からないと戸惑うのは大人も子どもも一緒です。

そして、義母が亡くなった後も、子どもの前だからといって、親の弱い所は見せない、ということはせず、自分の中に悲しみが押し寄せてきて涙が溢れる時は、それを止めず娘の前でも泣いたり、自分の気持ちを言葉でも伝えていました。

「お母さん、ばーばが亡くなってとっても悲しいよ。」
「また悲しくなってきちゃった…。」
「ばーばともっと遊んだり、色々おしゃべりしたかったな。」

と、ありのまま自分の感情を抑えずに伝えました。

子どもは大人と悲しみの表現の仕方が違うので、大人が悲しい気持ちに包まれていても、テレビを見て楽しそうにしていたり、ふざけたりすることもありますが、それに非難することはありませんでした。

大人である自分自身も、娘に対しても、いま胸にある感情を否定せずに大事に受け入れていました。

葬儀の場ではしゃぐような行動になった時に、

「ばーばが亡くなって、悲しい気持ちの人もいるし、静かにお別れしたい人もいるから、声を小さくしてくれる?」

と伝えるだけでした。

お葬式に行く前にも、
「お葬式の時間とっても長いけど、最後まで頑張ってくれる?」
と伝えると、
「どうして長いの?」
と聞くので、
「大事な人とお別れする時って、すぐにバイバイしたい?それともゆっくりお別れしたい?」
と言うと、
「ゆっくりお別れしたい。」
と言うので、
「そうだね、大好きなばーばとゆっくりお別れしようね。」
と説明していたので、娘も葬儀の意味を理解していて、最後までぐずらずに式に参加してくれました。

告別式の時、私がまた感極まって泣きだすと、隣の席に座っていた娘が、持っていたハンドタオルを私にそっと手渡してくれ、背中を優しくポンポンしてくれました。
周りの悲しみに触れ、娘も少しずつ死というものを理解していったのか、娘も涙ぐんでいました。


私も祖母の死を受け入れ、向き合う中で、娘と一緒に死について考えるために絵本はどうかと思い、探していると、良い本を見つけました。

優しくカラフルな絵で、お母さんが男の子と一緒におばあちゃんの死について話しながら向き合っていくというテーマの絵本です。
重くなりがちなテーマを、優しくシンプルな言葉で伝えていく絵本で、とても良い内容でした。

葬儀が終わって数日してから、娘にその本を読みました。
娘はよく聞いてくれたし、次の日も読みたいと言ってくれました。

寝る前に読む絵本をどれにするかは娘に決めてもらっているので、2回ほど読んでしばらく読んでいなかったのですが、ある日、寝る前に急に娘が急に悔しそうに泣き始めました。

「もっとばーばと遊びたかったよー」
「ばーばと動物園も水族館もまた行きたかったよー」
「一緒においしいご飯も食べたかったよー」
「うわーん」

という感じです。

私は、娘が落ち着いて泣き止むまでずっと、背中をさすりながら、

「そうだね、もっとばーばと色んなことしたかったね。」

と、娘の気持ちを受け止めていました。

ずっと泣き続けていましたが、
「大丈夫、悲しいときはいっぱい泣いていいよ。」
と、泣くのを制止することはありませんでした。

しばらくすると、娘が少し落ち着いてきたので、その時に少し私から話をしました。
ばーばとの楽しい思い出の話です。

「ねえ、ばーばとこんなことしたよね。楽しかったね。ばーばはあなたが大好きで、いつも可愛がってくれたね。」
「こんな可笑しいこともあったね。ばーばがあなたのばーばで良かったね。」
と話すと、娘も色々思い出して、楽しかった思い出を笑顔で話してくれました。

それからは、泣きじゃくることは無く、時々寂しそうな顔をしたり、
「ばーばがいなくて、じーじ寂しくないかな?」
とじーじを心配したりしますが、心は安定し、死について娘なりに受け入れ理解したようです。

大人でも、子どもでも、誰かが自分の感情を否定せずに受け入れて共感してくれた、一緒に向き合ってくれたというのは、とても心強くて、自分という存在を肯定することができる体験です。

祖母の死を通して、娘は本当に成長し、もっと人の命を大切に考えられるようになりました。

子どもが死と向き合い、理解し、癒されていく過程で、私たち大人に何ができるか。
以下にまとめました。


【死をタブー視せずしっかり伝える】
子どもを混乱させたくない、子どもの心を守りたいという思いで死を子どもに伝えない親は多いです。
でも、それはとても残念なことです。

死はどんな人にも必ずやってきます。
そして、死ぬ時こそ、その人がどのように生きて来たか、その人の偉大さが分かる瞬間です。
死はその方が生きてきた証なのです。

身近な人の死は、子どもが死について学ぶ最大の機会です。
その死について、はぐらかしたて話そうとしないのは、子どもの心を守ることにはなりません。
親がしっかりと伝えないことは、死と向き合う機会を後回しにしているだけ。
そうすると、子どもが死を学ぶ機会は、子どもがよく見るアニメや漫画などに任されることになります。

死についてしっかりと伝えるのは親の役割であって欲しい。

死がどんな人にも訪れること。
死んだ人はもう戻ってこないこと。

そのことをしっかり伝えましょう。

そして、もう会えなくても心の中に楽しい思い出が残っていて、楽しく過ごした時間は永遠に無くならないこと、最後まで頑張ったことを伝えましょう。
「あなたのこと本当に大切にして愛してくれていたよね」
と、伝えてあげましょう。

死を学ぶことは、生を学ぶことです。
自分の命や周りの命を大切にできるようになるには、死についてしっかり知っているからです。


【子どもの感情を煽らない・抑え込まない】
親は、つい自分と同じような反応を子どもに求めてしまいがちです。
親族が亡くなったばかりなのに、テレビを見て大笑いをしていたり、ふざけたりしているのを見ると、
「どうしてあなたは悲しまないの?おばあちゃんあんなに良くしてくれたのに!」
と、悲しみの感情を煽るようなことを言って、その子の態度を非難したり、叱りたい気持ちになります。

また逆に、子どもがいつまでも悲しんで泣いてばかりだったり、落ち込んで無気力になっていると、今度は、
「いつまでも泣いてないで。そんなに泣いているとおばあちゃんも悲しむよ。」
と、感情を抑え込もうとすることもあります。

でも、子どもの悲しみの表現は大人とは違いますし、悲しみ方は人それぞれです。
そして、子どもは大人が思っているよりも、周囲のできごとや環境の変化、おとな達の態度や行動をしっかり見ていて、敏感に感じています。

子どもに限らず誰かの感情をコントロールすることはできません。
感情を無理にコントロールしようとすると、
「自分の考えは間違っているんだ」
と自分の意見を言わないようになってしまったり、悲しみに蓋をしてしまうことで、蓄積された負の感情が将来子どもの人生に影を落とすこともあります。

大切なのは、大人と同じような反応を求めず、子どもの感じるままに感じさせてあげること。
子どもの感情を肯定して受け入れてあげることです。

「お母さんはおばあちゃんが亡くなって悲しい。でもあなたはあなたの感じ方でいいよ」
「悲しいね。泣きたい時はいつでも泣いていいよ」

そんな風に、その子なりの死との向き合い方を、お母さんが尊重してあげましょう。


【親が悲しんでいる姿を隠さない・親の気持ちを伝える】
これは、とても大切なことだと思います。
子どもの前では涙を見せたくない、負の感情を見せたくない、悲しんでいる自分、混乱している自分を子どもに見せたくない、と考える親は多いと思います。

でも、隠さずに見せましょう。
そして、自分の感情や思いも伝えましょう。

親が悲しみや、自分の思いを隠さずに表現することで、死がどういうものなのか理解していきますし、悲しみとの向き合い方や、感情の伝え方も学んでいきます。

また、親が子どものためと思って感情を抑えることで、逆に子どもに辛く当たってしまう傾向があります。

私の話になりますが、幼い時に祖母が亡くなりましたが、私の母は私や姉に対して自分の感情を抑えていました。
でも、悲しみを抑えて蓋をしてしまうと、なぜか徐々に怒りの感情が大きくなるんですよね。

私たち姉妹が楽しく音楽を聞きながらおしゃべりをしていると、急に怒鳴りだして、

「あなた達はおばあちゃんが亡くなっても薄情だ。私はあなたたちのために悲しみを抑えているのに、あなたたちは母親が亡くなった人の気持ちが分からないの?お母さんが死んでもヘラヘラ笑っているの?」

と言っていました。

子どもは死についてまだ完全には理解していません。
それを言葉や親の対応を見て学んでいくのです。
親が言葉も感情も抑えると、子どもは理解できないですし、親が伝えなかったことで子どもが怒りをぶつけられるのは、子どもにとってとても理不尽です。

親も自分の気持ちを大切にし、子どもにありのままに見せて伝えることが子どもが死と向き合う時の最高の対応です。


【私が娘に読んであげた絵本】
さようなら、おばあちゃん:メラニー・ウォルシュ 作
祖母を亡くした男の子と、そのお母さんが対話をしながら、大好きなおばあちゃんの死に向き合っていくお話。
死について悲しみを煽ったり、複雑に説明するのではなく、子どもの心に寄り添いながらシンプルに話していく内容がとても良かった。




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